べぐれでねが

-気が向いたらセシウムを検査するブログ-

当測定室のご紹介

秋田放射能測定室『べぐれでねが』は、子供たちの内部被曝を防ぐため、食品の放射能汚染について精密測定を行っております。

処理を施した減容化後の牡蠣

震災前の汚染水準との比較を目指し、試料に処理を施す等、できる限り低下限値での測定を行います。これは、震災前の汚染レベルと同等以下の汚染を証明することで、真の意味での風評被害を防ぐことが出来ると考えるからです。

さらに、福島原発由来のであることを放射能汚染を証明することができるCs134(セシウム134:放射性セシウム)は半減期が約2年と短く、現在ではキノコ、レンコン、サツマイモや山菜、etc… に代表される一般的に濃縮されやすい食品以外は、高性能なGe(ゲルマニウム半導体検出器)を用いた測定を行わなければ定量することが出来ないのが現状です。

震災直前の人工の放射性物質Cs137(セシウム137:放射性セシウム)による食品の放射能汚染データ

高精度測定を行う別の側面として、万が一次に原発事故等の広域にわたる放射能汚染が発生した場合、事故前の正確な汚染データを残しておくことが重要だと考えるからです。事故前との汚染を比較する上で、正確な値を定量することに意義があると考えています。

正確な汚染のデータベースを作成することで、放射性物質の新たな汚染拡散の抑止力となるべく、それと同時に今後、低線量内部被曝による健康被害等が生じてしまった場合、精密測定によるデータの蓄積がそれを立証する唯一の鍵となります。第二、第三の水俣病を防ぐためにも市民が主体となりそれを監視することが重要と考えます。

 

1940年代に初めて人類が核のエネルギーを使用することとなりましたが、K40(カリウム40)などの自然に存在する放射性物質については人類が長い間共存してきたものになりますが、Cs137(セシウム137:人工の放射性セシウム)を始めとする人工の放射性物質がこの時期初めて地球に出現以来がんによる死亡率が急増したことが判明しています。そのため、当団体では人工の放射性物質による健康被害を特に危惧しており、特に注意するべき放射性物質であると考えています。(Cs137やCs134は1940年台以降に人類が核兵器や原子力発電による核のエネルギーを使用することで発生してしまった放射性物質です)

20150201-IMG_2691真空凍結乾燥機

当団体保有の高純度ゲルマニウム半導体検出器(BSI社製GCD-60200 相対効率60% 10cm鉛遮蔽)

測定体制としては、当測定室にて試料の購入や前処理を施し、市民測定所やその他の研究機関とも連携してGe(ゲルマニウム)半導体検出器を用いた精密測定を行います。

伊方原発(Ge半導体検出器を用いた環境試料の調査を実施)

運営については莫大な費用がかかるのが実情ですが、食品の放射能汚染を気にされる方に広くデータを知って頂くため、あえて会員制などはとっておりません。各ご家庭の経済状況にかかわらず、開けた情報を提供していきたいと考えております。

なお、当測定室は皆様のご寄付、我が家からの持ち出しにより運営・維持を行っております。

今後とも当測定室をご愛顧頂けますと幸いです。

福島県の放射能汚染の真実

2020年2月 国道6号線帰還困難区域

2017年夏 福島県郡山市、二本松市

「べぐれでねが」は、皆さんの優しさで運営されている、市民測定所です

4p_べぐれでねが015p_べぐれでねが02 Qベク 新田さん作

一度もお会いしたことのない方からの沢山のご支援(海外からも)、全国のボランティアさん、理化学機器メーカーさん、電気工事の業者さん、小売店さん、etc…

沢山の方からの善意の輪により、奇跡的に測定所を運営することができています。

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夫婦フルタイム勤務の中、ボランティアさんたちとも協力し、測定を行います。

東京大学共同研究実績

・東京大学との研究成果がScientific ReportsのEditors’ choiceに選出されました(2021/03)

秋田放射能測定室「べぐれでねが」と東京大学との高精度分析による研究成果が海外で評価され、福島第一原発の事故から10年目、2021年のEditors’ choiceに選出されました。

https://www.nature.com/collections/fbgfhjadfb

・東京大学との研究成果がScientific Reportsに掲載されました(2018/11)

秋田放射能測定室「べぐれでねが」と東京大学との高精度分析による研究成果が国際的にも有名な科学誌であるScientific Reportsへと掲載されました。

https://www.nature.com/articles/s41598-018-35183-z#disqus_thread

これにより、私達と東京大学との研究成果が『国際的にも十分信用に足りるデータである』ということが、証明されたとも言えます。

なお、この論文につきましては2018年のScientific reportsのEarth Science分野で閲覧数32位となり年間TOP 100に選ばれました。

 

・第25回環境化学討論会にてこれまでの成果を発表。アオザメの測定データについて、情報共有を行いました。(2016/6)

流通食品中の放射性物質の高精度測定

○堀 まゆみ1、小豆川 勝見1、齊藤 拓也2、松尾 基之1
(1 東大院総合、2 秋田放射能測定室「べぐれでねが」)

・食品中の放射性セシウムの高精度分析が学術的に評価され、論文(国際誌:査読有)が受理されました(2015/8)

K. Shozugawa, T. Saito, M. Hori, M. Matsuo, High Sensitive Analysis of Radioactive Cesium in Japanese Foodstuffs: Three Years after the Fukushima Accident,Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, accepted.

リンク

・2015/4  放射性物質に関する国際学会(Methods & Applications of radioanalytical chemistry X)にて2014年に測定した96試料の食品中の放射性セシウムについて発表(共同発表)

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2015/2 岩波書店『科学』2月号掲載

リンク

メディア掲載実績

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2014/6 TV掲載(ABS秋田放送)

2014/3 新聞掲載(秋田魁新報)