帰還困難区域(大熊町)の柿を測定してみると・・・!? ※小豆川先生執筆

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 放射性物質がどこにどれだけ含まれているのか、正確な値は測定してみないと分かりません。

 

 福島第一原子力発電所の事故から早くも4年半以上が経過した今、数多くの測定データが得られています。そのおかげで、流通する食材に基準値を超過する放射性物質が含まれている可能性はほとんど無いこと、そして、その中央値も低く抑えられていることが分かっています。

 

 その一方で、選択肢があるならば少しでも放射性セシウムが含まれていなそうな食材を選びたいと思う気持ち、少しだから問題ないという考え方への疑問、そもそも測定に対する不信が起こりうることも、ひとつひとつにさもありなんと私は考えています。

 

 測定を専門にする研究者としてできること、それは放射性物質に対して様々な考えがある中でも、できるだけ多くの地点、多くの食材を測定し、その傾向や特徴をつかむことだと考えています。その一環として、帰還困難区域(旧 警戒区域)の中での測定を福島第一原子力発電所事故の1ヶ月後から続けています。

 

 私が手にしているものは柿です。2015年10月に福島第一原子力発電所を抱える大熊町の帰還困難区域に入域した時に採取したものです。見た目はごくごく普通のどこにでもある柿のように見えます。これを測定してみると、可食部で518 Bq/kg(一般食品の基準値の5倍強)、皮に 719 Bq/kg(同 7倍強)の放射性セシウムが含まれていました。空間線量率ではおおよそ10 μSv/h (地上高1 m)の地点です。

2015

 

 この場所で収穫された食材が市場に出回ることは、現状ではありえません。では、何故測定するのか。画像の場所は、中間貯蔵施設の建設が計画されている場所であり、近い将来、消えてしまう可能性があります。あの事故で放出された放射性物質がどこにどれだけあったのか、次の世代に伝えていくためにも、帰還困難区域内の情報はとても重要になると考えています。

 

 このような取り組みに加えて、普段のわれわれの食事に含まれる放射性物質の定量も極めて大切だと考えています。流通する食材に基準値超過のものがほとんど含まれていない現状は、厳しい測定体制を維持できていることが一つの理由です。(しかし、検査を通さずに流通させた食材の中にはごく希に基準値超過になるケースがあることを論文で公開しています)

 その一環として、多くの自治体や大手小売店、計測器メーカー、市民測定所のみなさんとも協働しながら、微量な放射性セシウムの測定、測定所間のクロスチェック、バックグラウンドの低減、測定の勉強会を続けています。

 

 測定の結果をまとめた論文、刊行物の一覧はウェブサイトにも公開していますので、そちらも併せてご覧ください。

 http://user.ecc.u-tokyo.ac.jp/users/user-10609/

 

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