べぐれでねが

-気が向いたらセシウムを検査するブログ-

2017年 高浜原発環境調査(中編) -測定値の評価、各都道府県との比較-(これだけは読んでほしい!)

測定値の評価

※このページに掲載されている図はクリックすると拡大できます

高浜原発周辺、環境試料採取地点

 

今回の測定結果を見ての率直な感想ですが、正直想像を遥かに下回る低い数値でした。平均値は5.42(Bq/kg)。

(あっ!わけのわからない陰謀論がどうのこうのという方はこのへんでお帰りください。そう思ったら、ご自身で検査機関のGeでクロスチェックして検証してみてください。こちらは費用も時間も手間もかけて真面目に測定しています。)

 

というのも、高浜原発の歴史を見てみると1974年から運転を開始し、1-4号機が全てストップしたのが2012年。その後2016年に一ヶ月ほど再稼働したもの直後に全炉が停止。2017年5月の再稼働前に今回試料を採取しましたが、ざっくり計算しても38年近く稼働していた原発周辺の土壌ということで、原発のない地域よりは放射能汚染によるリスクが高い場所でのサンプル採取でありますが、現状の東北・関東の土壌中の放射性セシウムの値と比較すればするほどにあまりの低い数値に驚きを隠せませんでした。目に見えて他の地域より高い箇所がないのはもちろん、むしろ私の知っている東北のどの測定値よりも遥かに低いものでした。今回の測定では、高浜原発周辺の環境試料から放射性セシウム(セシウム137、セシウム134)の異常な数値は見られませんでした。

 

参考までに秋田の土壌と比較してみると

秋田県内各地点の測定結果一覧

 

測定結果グラフ

 

東北では恐らく青森についで土壌汚染が低かったであろう秋田ですが、知人達が高浜原発の試料とほぼ同時期、2017年に採取深度5cmにて秋田県内で土壌採取を実施。Ge半導体検出器にて測定した結果です。グラフの縦軸は高浜原発のグラフと共通なので比較してみるとわかるかと思いますが、高浜原発周辺よりは概ね高く、平均値は17.3(Bq/kg)となりました。セシウム134(Cs134)も検出されており、秋田県内でも福島原発由来の放射性セシウムによる影響が見られました。

 

参考までに2017年に採集した福島県の環境試料と比較してみると

2017年の福島県郡山市。ここで、高校生が普通にランニングをしたり、おじいさんやおばあさんが日中散歩しているような歩行者専用の道路ですが・・・

 

(地面に直置きしても正確にγ線を測ることができるシンチレーションタイプの線量計です)

先程の写真の道端に普通に落ちていた海苔のような環境試料をサクッと採取しGe半導体検出器で測定してみると・・・

 

放射性セシウム合算で約13,000(Bq/kg)

 

2017年、福島県で同様の環境試料で二本松市のコンビニ付近の土壌ですが、Ge半導体検出器で測定してみると・・・

(但しこの当りはホットスポット。とはいえ、一応除染後の採取らしい・・・)

 

放射性セシウム合算で18,500(Bq/kg)

 

実は今後公開予定ですが、この周辺地域でもっともっと高い箇所もありました。これらは短時間でサラッと採取できるような試料であって、決して長時間粘って特別に数値の高いものをピックアップしたわけではないのです。要はこの程度の試料は福島県内のある程度の放射能汚染があった地域ではザラに見つけられ、簡単に入手できますし、現地の子供達がそれに触れることもあると思います。

 

 

ここまで読んだ読者さんは何かがおかしいと思いませんか?

 

 

ただでさえ、他の地域に比べ汚染のリスクが高い高浜原発周辺の土壌測定の平均値は5.42(Bq/kg)

同時期・ほぼ同条件の秋田県内の土壌測定の平均値は17.3(Bq/kg)

これに対し、同時期、二本松市や郡山市内でも軽く1万(Bq/kg)を超えている土壌を簡単に見つけることができます・・・

 

 

 

福島の人はもっと怒ってもよい

上記の測定値ですが、今回福島県内で採取した郡山市や二本松市よりも原発に近づけば近づくほど、更に数値の高い試料に出会う確率は上がるでしょう。率直な話いくら復興復興と表面的に言っていてもその汚染の酷さには驚きを隠せません。この結果を知った福島にお住まいの方はもっともっと電力会社や政府に怒りの声を上げてもよいのではないでしょうか?

 

海外なら暴動が起きるレベルの汚染かと思いますが・・・

 

もちろん一測定者としては、福島が他の地域と同様の汚染レベルになり、名実ともに復興することを願ってやみません。とはいえ、現実は大変厳しく、この結果を見て、私は郡山市や二本松市へは、自分の家族はもちろん、友人やその家族もできれば近づかないでほしいと考えます。(もちろんいつも言うように、その数値の判断は各個人に委ねられますが・・・)

 

そして、率直な疑問ですが・・・

 

 

本当にここには人が住むことが許されるのでしょうか?

 

更に参考データですが、みんなのデータサイトから(2018.04.19訂正)

上の一覧は、みんなのデータサイト(以下MDS)から引用した、各都道府県の土壌測定の最高値となります。MDSでは採取ルールがあり、ここで引用したデータは、雨樋やすべり台の下のような、特別に数値が高くなる場所からの採取データはありません。ですので、同地域でもそういった場所からの採取はもっともっと高い数値が見られるはずです。(採取時期は2011-2017年、採取深度は5cm)。

 

(2018.04.19訂正)

上記測定結果をグラフにしてみましたが、福島県があまりにダントツ過ぎてほかが埋もれてしまいました。

しかし、福島の最高値の13万5千(Bq/kg)って・・・。これがホットスポット以外からの数値というところに愕然としますね・・・。

(※対数軸にすると見慣れない方はイメージがつきにくいため、あえてリニアにしています)

 

(2018.04.19訂正)

ここで他県が埋もれないように、福島県のデータを抜いたグラフです。各都道府県の最高値が比較できるかと思います。

こうやって見てみると、東北の中では秋田は土壌汚染が低めの方のようです。

(とはいえ、高浜原発周辺のほうが更にクリーンorz)

 

これらの結果から・・・

しかしながら、原発事故の影響って広範囲、なおかつ長期間に渡り影響が出る物なんですね・・・(+_+)

 

高浜での一連の環境試料の測定を通じ、高浜原発周辺の汚染の酷さよりも、東北や関東圏の汚染の酷さを逆に実感してしまうという皮肉な測定結果となりました。しかし、こういった現実を知ると、なんだかとても切ないですね(´・ω・`)

 

以下はおまけになりますが、福島県の測定や空撮動画になります。(2019.03更新)

 

 

 

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(後編へ続く)