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昨年2017年5月、福井県の高浜原発が再稼働されました。
秋田放射能測定室「べぐれでねが」では、再稼働前の環境試料(主に土壌)の精密測定を行うことで、稼働前の基礎データを蓄積したいと考え、再稼働直前に環境試料の採取を実施。Ge半導体検出器による精密測定を実施しました。
今回の測定では土壌に含まれているセシウム137を定量することができるまで、できる限り長時間の測定を実施。
上記のデータを再稼働後のデータを比較することで放射性セシウムによる環境中の汚染の有無を確認することができると考えています。
今回は原発を取り囲むように9地点からサンプルを採取しました。採取地点はある程度ぼかしています。
(画像はクリックすると拡大できます)
セシウム137を0.763(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.379(Bq/kg))
セシウム137を1.79(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.322(Bq/kg))
セシウム137を1.47(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.171(Bq/kg))
各採取地点の線量率、カウント数を記録
セシウム137を4.84(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.366(Bq/kg))
セシウム137を7.46(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.328(Bq/kg))
セシウム137を1.81(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.293(Bq/kg))
セシウム137を0.211(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.114(Bq/kg))
セシウム137を0.210(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.122(Bq/kg))
セシウム137を0.603(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.207(Bq/kg))
近くの倒木にきのこが生えていたので採取してみたところ・・・
事件が・・・
放射性セシウム両核種を検出しました。134Cs/137Cs比率から逆算すると、汚染のほぼ全量が福島原発由来の放射能汚染であることが判明しました・・・
セシウム137を7.87(Bq/kg)検出。
セシウム134を1.05(Bq/kg)検出。
流石にこれは・・・
(※簡単に解説すると、セシウム134が検出されるということは、福島原発事故由来の放射能汚染が見つかったということになります。但し、諸条件あり、半減期の関係で見つからない場合もあります。)
測定自体は間違いのない数値ではありますが、そのまま公表してしまうと大きな誤解が生まれてしまう必要があるため、しっかりと原因を検証した後に公表するべきと判断。
一回目の採取はなんと秋田から車で採取に向かった貧乏旅行だったのですが、その後会社のお休みをゆっくり取ることも難いため、飛行機で再度福井県入りします。
ということで、今回の再検証の目的は主に3つ
1、きのこが生えていた地点周辺の土壌採取
2、倒木自体の採取
3、ドローンによるサンプリング地点周辺地形の空撮(4K60P)
測定所のスタッフさんが動いてくださり、2名の助っ人さんを呼んでくれました(^O^)ありがとう!
倒木の真下を含む、数十メートル間隔で3箇所から土壌を採取。キノコの生えていた木についても切断、採取しました。
倒木のすぐ下の土壌を採取。
セシウム137を1.07(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.137(Bq/kg))
倒木より数十メートル離れた地点の土壌。
セシウム137を1.00(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.125(Bq/kg))
セシウム137を43.8(Bq/kg)検出。
セシウム134は不検出(検出限界値0.207(Bq/kg))
この地点が今回採取した中では最高の数値となりました。
ということで次は倒木になります。
セシウム137と共に、福島原発由来の放射能であるセシウム134が検出されました。
セシウム137を0.660(Bq/kg)検出。
セシウム134を0.0539(Bq/kg)検出。
セシウム134が検出されたことで、倒木自体から福島原発の汚染が見つかりました。しかしながら、周辺の土壌4か所からは福島原発由来のセシウム134が検出されなかったため、今回はこの倒木自体に福島原発の汚染が有ったためにキノコからもセシウム134が見つかったという結論に至りました。
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