皆さんお元気でしょうか?実は今放射能測定界で気になっているお話があります。
それは測定界でまことしやかに言われている噂で、水道水に高濃度の放射性セシウムが含まれているという話で世間を煽り、放射能が気になるお母さんたちを騙し浄水器などを売りつけているというお話。肝心の測定データですが、その測定機は誤測定が多いことでとても有名で、本来放射性セシウムを含んでいない試料から放射性セシウムが検出されたとよくデマ情報を出してしまう事が多い(IFKR-ZIPという)測定機であるということ。今回はそれらについての検証をしてみました。
こちらの画像は問題のサイトからのものですが相当煽っているのがわかります・・・
これらはよく拡散されている測定データかと思いますが、とても誤測定が多い機種のもの・・・
もしも、Cs-Allというキーワードと共に放射能が検出されたという情報を見つけた場合は、安易に拡散するのは控えましょう。上記のスペクトル図が掲載されていたら要注意です。繰り返しますが、黒のバックに緑色のラインが入っているものが掲載されている場合は誤測定の可能性が高いため、他の測定所の結果(できればGeで測定したもの)と比較するなど、その測定結果が妥当なものかどうかを今一度考えて見る必要があります。
と、言葉だけでいっても説得力がありませんので東京大学でGe(ゲルマニウム半導体検出器)を用い、水道水やフィルターの能力などの高精度な検証を行ってみました。上記の話は測定界では有名な噂ですが、実際販売されている商品にそれ相応の能力があれば商品自体には全く問題がありません。
写真は東京大学の小豆川先生のホームページからのものですが、まずは一旦こちらの記事に目を通してからこちらのブログに戻ってきていただけないでしょうか?
上記記事をご一読いただき戻ってきていただけましたでしょうか?ありがたいことにしっかりとGeで測ってくれています。
記事を要約すると・・・
①シーディークリエーション社製浄水器 CDSW-01に一般家庭で使う程度の流速で合計3500L弱の水道水を通水(場所は東京大学駒場1キャンパス)
②その過程で、まずは正しい手法で水道水を濃縮し(※下記参照)Geで測定したところ駒場(東京都目黒区)での水道に含まれる放射性セシウム(Cs137)は0.0024(Bq/kg)である事が判明。
(この度用いられた濃縮手法では放射性セシウムの飛散は殆ど無いことが知られています。参考までにページ下部のリンクはそれについての検証記事となります)
③3500L弱の東京の水を流したフィルターを精密測定し、そのうちどの程度の放射性セシウムが吸着されたかを検証したところ・・・
④実はたったの4.8%しか放射性セシウムは吸着されておらず、まさかのほぼほぼ素通りであることが判明(詐欺レベル)
⑤ついでにいうと、通常のシンチレーション式(IFKR-ZIPがそれに相当)測定機では測定機の能力不足のため、天然にある放射性セシウム以外の核種を拾ってしまい、誤測定となってしまうことが判明。
まさかの全く吸着できていないフィルターと、誤測定の合わせ技という予想通りのとてもとても悲しい結果となってしまいました。
こんな記事で子どもたちを放射能から守りたいお母さんたちを騙し・・・
控えめに言ってガラクタみたいな浄水器を売りつけて少しも心は傷まないのでしょうか?
結論から言うと、まさかの科学的知識が一切ないおっさんの自己満足商品という大変残念な結果となってしまいました。正直自分だったらただでも要らないです。もし周りにシーディークリエーションの商品を使っている方がいらっしゃいましたらぜひこの記事をご紹介ください。
それでも使いたいという方にはもはや何も言うまい・・・・
(めたぼ)
・6/29追記
ユーザーの方で本気で検証してみたい方は、フィルターを市民測定所や民間の分析センターが所有するGe(ゲルマニウム半導体検出器)で検査をすれば、放射性セシウムが本当に吸着されているのかどうかが一発でわかりますよ。
最後に・・・
今回の記事は東京大学の協力なしには情報を出すことはできませんでした。実は東京大学でもいま資金が不足していて寄付を集めています。こういった活動にご賛同いただける方は次の寄付フォームからご支援をお願いできませんでしょうか?
私達の測定室の方の状況についてはまた改めてどこかで説明させてください。
(※)参考までに濃縮方法の検証記事を
https://beguredenega.com/archives/6396
かっぱ寿司 カーくんのオレンジ100 -小豆川先生の解説有り-
画像引用元
https://user.ecc.u-tokyo.ac.jp/users/user-10609/purifier.html
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(但し、測定結果画像の無断転載・盗用はご遠慮ください)
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