今回の記事は現在おしどりマコ・ケンさんをはじめ、報道関連の方が追っているJヴィレッジの原状回復工事(除染工事)に伴い搬出された8000(Bq/kg)超の高濃度廃棄物を捜索した記事となります。詳細はおしどりのお二方のホームページをご覧になっていただくこととし、当ブログではそれをごくごく簡潔にまとめ、加えて現地からの報告をお話ししたいと思います。
Jヴィレッジとは
福島県双葉郡楢葉町・広野町に跨がって立地するサッカー等を対象としたスポーツトレーニング施設ですが、東日本大震災直後(2011.03)から2013.06までは本来のスポーツ施設としては全面閉鎖され、国が管理する原発事故の対応拠点となっていました。
2011年12月のJ-villageの様子です。タイベックの作業員の方が当たり前で、まさかここに泊まれるようになるとか、当時は想像もできなかったです。 pic.twitter.com/T5ZpYtCrQm
— ただのK. Shozugawaです (@sunbaiman) March 10, 2020
当時は福島第一原発の収束作業の前線基地として利用されていましたが、その後東京電力が原状回復工事(2016.04~2019.04)を実施、2019.04.20に施設の全面再開となり、2020.03には原発事故からの復興の象徴としてオリンピックの聖火リレーのスタート地点となる予定でした・・・
Jヴィレッジ「除染」は作業員の線量管理をしていない除染電離則違反!?その上、東電は汚染土壌をすでに再生利用したが濃度と利用先は非公開!!
ところが蓋を開けてみると2019.11に施設内で103万(Bq/kg)の土壌汚染が見つかり、それを東電側が取材を受けるまで隠し続けていたというなかなか不誠実な対応が見られましたが、それだけではありませんでした・・・。
(最大で103万(Bq/kg)の汚染が見つかった駐車場。一見するとどこにでもある駐車場ですよね。)
2016.04~2019.04に実施された原状復旧工事(と称される事実上の除染工事)ですがそれに伴い搬出された廃棄物の内訳をざっくり言うと次の通り・・・
(上記リンクおしどりポータルサイトより)
その東電からの報告について要約しますと
①8,000(Bq/kg)以下の汚染された土壌が10tダンプで約1万台分出たけどすでに埋め立てられ土地造成に使われたねん。でも行き先を話すと関係者(それも非公表)に迷惑がかかるから教えられへんねん。(どうやらそこに住む住民の迷惑は一切考えていない様子・・・)
②8,000(Bq/kg)を超える118m3(10tダンプ約24台分くらい)の防球ネットやテニスコートマットについても保管場所は非公開やねん。
(調べてみると以前テニスコートのあった場所は事故直後に除染に使われていた箇所らしい)
と言うことでマコさん達から話を聞くと、まだJヴィレッジ内に高濃度汚染廃棄物が置かれている可能性もあるとのこと。見つかりそうなら探してほしいとお話があり、ちょうどそのタイミングで福島行きの出張が入っていたため、現地を確認しに行くこととなりました。
2020.07捜索開始
まずはサクッと上空から様子をうかがいます。ここで直ぐに目についたのが写真下の盛り土の箇所。いかにもなにか埋まっていそうな風貌です。ただ、最初に考えていたのが保管場所のセキュリティについてでした。会見で高濃度汚染廃棄物の場所をひた隠しにするほどなので、ターゲットの保管場所は人が侵入しない対策が行われているはず。加えて事前情報としては・・・
①高濃度汚染廃棄物の保管場所には鉄板の遮蔽があるらしい。(東電会見より)
ということをマコさんから伺う。なのでセキュリティのないザルの状態なら今回の目標とは異なると判断することにしました。
盛り土の箇所へ向かうと
途中には車が通行できないよう簡易的な柵がありましたがそれ以外は全くザルの状態。簡単に周辺の線量も測りましたが盛り土の箇所は地面付近でもγ線で0.11(μSv/h)とバックと変わらない印象。きれいに中に封じ込められて鉄などで遮蔽されていればわからないがおそらくここではない気が・・・
(あとから調べるとこの場所は以前広野町仮設減容化施設があった場所でした。)
車だけではなく場内を足でも探してみると・・・
ブルーシートが被せられた、石のようなコンクリートのようなものが破砕され保管されています(??
拡大するとこの通り。除染の際に出たものでしょうか?山間の低い箇所にあったので線量計で数値を測ることはできませんでしたがなんだか気持ち悪いですね・・・
こちらも鉄の遮蔽等もなく、誰でも入ることができるためおそらく違うはず・・・。
更に別の箇所を捜索するも・・・
怪しい部分はあれど決定打は無く、これまでに丸2日を捜索に費やしちょっと焦りが・・・。その間、現地のJヴィレッジスタッフの方とたまたまお話する機会があり「除染で搬出された放射性廃棄物がこの敷地内に置かれているようですがどちらにあるかご存知ですか?」とさらっと直球を投げたもののなかなかいい感じに冷たくあしらわれ退散となりました^^;(話しぶりからは知っていても話せないような感じ)
しかし、せっかく費用や時間をかけて取材に来たのにここまで何の成果もないとは思ったよりもターゲットは見つかりにくい様子(T_T)
(そもそも敷地内に保管されていない可能性すらある)
取材最終日
そういえば、以前除染に使われていたテニスコートがあった場所をまだ見ていませんでしたので、様子を伺いに行くことにします。
今まで見ることの無かった関係者以外立ち入り禁止の表示が出てきました。
写真にある立入禁止の柵の奥が以前テニスコートが設置されていた場所です。一応柵があるものの、柵には隙間があり子供くらいならかんたんに通り抜けられそう。そして上には防犯カメラらしきものが・・・。
柵から奥を覗いてみるとその奥にも立入禁止の表示が・・・。しかし、その奥にはソーラーパネルが設置されておりよく見えない状態です。丸2日間Jヴィレッジ敷地内を探索しましたが、これまではこんな場面はなかったので怪しいといえば怪しい気もしますが・・・
そのすぐ横の建物では小さな子どもたちが元気に走り回っており、流石にそんな危険なもの(指定廃棄物)を子どもたちが走り回る近くには置かないよなぁ・・・と、自問自答。
最後に元テニスコートの周辺を上空から観察
すると・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
遠方から撮影した映像を拡大したのがこちら・・・
そこにはいかにも除染廃棄物ですと言った佇まいの一品がありました。しかもよくよく見てみると底に鉄板も敷かれています。体積も118m3前後といえば周りの物のスケールから言っても近いくらいかと・・・
(こちらの写真は帰還困難区域にある中間貯蔵施設の空撮写真ですが、緑色のカバーの中に汚染された廃棄物が保管されている事がわかります。)
ということは・・・
まさかのビンゴか!?
という事で、最終日に限りなく黒にちかい一品を見つけそのまま帰路につくのでした。しかし、この様子ですとテニスコートマットなどをそのままテニスコートがあった場所に保管していたということでしょうか?
筆者としては今回見つけたものが高濃度廃棄物と睨んでいますが真実は如何に・・・。
なお、今回の取材で得た一連の情報についてはより詳細な情報も含めおしどりマコ・ケンさんへと提供させていただきました。少しでもお役に立てるといいのですが・・・。
というわけで、以上が今回のレポートとなりますが、少しでもJヴィレッジの一連の件について興味を持っていただけましたら幸いです(^_-)-☆
(めたぼ)
現在運営状況がが大変厳しく、記事が参考になりましたら活動資金のご支援をお願いいたします。
クレジットカード(VISA,MASTER)による寄付
1,000円以上の任意の金額での活動支援が出来ます。今後の活動継続のため、ご支援をよろしくお願いいたします。
(全角での入力はエラーになるため、必ず半角でのご入力をお願い致します(_ _))
補足
レポートをご覧になっていただいた方で、途中の103万(Bq/kg)がどれほどの土壌汚染かという疑問をお持ちの方は次のリンクをご覧になっていただければわかりやすいかと思います。ご参考までに(^_-)-☆
詳細な写真、捜索中の様子等をご覧になりたい方はこちら
それ以外にも驚いたことが・・・
先日楢葉町へ取材に行きとても驚いたのがこれ。以前は除染廃棄物などフレコンバッグの保管場所だった箇所がなんと水田になっていました。このお米って試験栽培などではなく市場に出回るものなのだろうか・・・。だとしたら怖いな・・・。 pic.twitter.com/qZNI3t5Alx
— 秋田放射能測定室「べぐれでねが」 (@metabokenopapa) July 18, 2020
私達は食品の精密測定をはじめ帰還困難区域やその周辺地域での放射能汚染の実態を現地に直接足を運び測定しお伝えしています。震災から時間を経て世間の関心も薄くなってきており現在継続が難しい状況のため、活動を継続するためのご支援のお願いをさせてください。https://t.co/4u8Fn7fQHK
— 秋田放射能測定室「べぐれでねが」 (@metabokenopapa) July 20, 2020
それでは今日はこのへんで
|ω・`)ノマタネー♪☆彡
※応援いただける方は、できれば記事のシェアやリツイートをお願い致します。
(但し、測定結果画像の無断転載・盗用はご遠慮ください)
↑こちらをクリックしていただけると育児ブログランキングが上がる仕組みです(1日一回まで)