タイトルの件、東京大学の小豆川先生らの論文が発表されました。写真は2020.10に実施された今回の論文に関するエリア周辺の空撮写真になります。なお、この件については様々なメディアでも取り上げられる予定です。
論文についてかなりざっくりと要点をまとめますと・・・
①福島第一原発の南側エリアの地下水から福島第一原発由来のトリチウムを含んだ水が検出されその平均濃度は20 Bq/L でした。
②今回は2カ所の地下水から原発由来のトリチウムが検出されています。同位体比からその起源を分析したところ、2カ所の地下水は異なる起源を持っていました。これは漏れ出てくる地下水脈が複数あることを示唆しており、単純な1カ所からの染みだしではなく、複数箇所から染み出していることが推測されます。
③本研究は、原発周辺の地下水からトリチウムを含んだ地下水が継続的に検出されている初めての報告になります。
全文についてはリンク先に掲載されていますのでクリックしてご覧になってみてください。
詳細な概要について
(引用ここから)
福島第一原子力発電所内の井戸水には、トリチウムがほぼ常時観測されています。そのトリチウムが地下水を通じて敷地の外に出ていることを私たちの研究チームが明らかにしました。検出場所は、原発南側、大熊町夫沢地区の一部分です。検出された濃度は平均して20 Bq/kgでした。この濃度は、東京電力が定める排水の基準(1,500 Bq/kg)や国が定める排水基準(60,000 Bq/kg)といった規則と比較しても十分に低く、規制上の問題にはなりません。
しかしながら、地下水を通じて敷地の中から敷地の外にトリチウムが流れる「筋」(水脈)が出来てしまっている以上、廃炉作業中の長い間に予期せぬ大規模な漏洩が発生する可能性があります。そのため、陸側の地下水も検査の体制を強化するべきだと考えます。
・・・
(引用ここまで)
小豆川先生のホームページより一部抜粋しましたがリンク先にはより詳細についても書かれています。わかりやすい解説になっていますのでぜひリンク先でご覧になってみてください。
リンク先や各メディアで使用されている空撮写真については当測定室にて提供したものも使用されています(*^_^*)
以上取り急ぎとなりますが、汚染水関連の大きなトピックスとしてご報告になります。この論文を出すまで東大チームにはかなりの苦労があったかことは想像に固くありません。ぜひリンク先の詳細をご覧になってみてください。汚染水放出の議論がされているこのタイミングでぜひご一読くださいませ。
取り急ぎご報告でした。
めたぼ